平成10年度重点領域研究「発見科学」

計画研究「巨大データベースからの知識発見に関する研究」

研究分担計画概要 English

1. 研究組織

研究代表者 

氏名 元田 浩 (もとだ ひろし)
研究機関名   大阪大学
部局 産業科学研究所
教授
現在の専門 人工知能
最終学校名 東京大学
卒業年 昭和40年(学部卒業年度)
学位 工学博士

研究協力者

氏名 鷲尾 隆 (わしお たかし)
研究機関名   大阪大学
部局 産業科学研究所
助教授
現在の専門 人工知能
最終学校名 東北大学
卒業年 昭和58年(学部卒業年度)
学位 工学博士

研究協力者

氏名 堀内 匡 (ほりうち ただし)
研究機関名   大阪大学
部局 産業科学研究所
助手
現在の専門 人工知能
最終学校名 京都大学
卒業年 平成4年 (学部卒業年度)
学位 博士(工学)

2. 研究課題

法則発見システムの開発 (Development of Law Discovery System)

3. 研究目的

未知の体系の実験データから系の特性を表現する普遍的な関係式を求めること は科学的法則発見と呼ばれ,古来,物理学者が英知をしぼり真理の探究に挑戦 して来た分野である.計算機による法則の自動発見の試みの多くは単なる実験 式・経験式の候補を多数導出するレベルに留まっており,複雑な対象について 普遍性を有する本来の意味での法則を発見できる実用的レベルには程遠い.本 研究では実験的に得られる数値データについて様々な数量の関係を探索し,そ の中からある明確な基準によって高い普遍性が証明される関係を,法則として 自動的に発見するアルゴリズムを開発し,それに基づく実用的な法則発見シス テムを構築する.従来の手法では不可能であった多変数の多量のノイズを含む 数値データからデータに埋没した法則を効率的に発見する実験を多数実施し, 性能を評価する.

4. 研究計画・方法

平成10年度は主として処理内容の検討とアルゴリズムの開発を行い,プロト タイプシステムを試作する.系に関する個別の知識を利用しないで法則を機械 的に発見することがどこまで可能かを追求する.そのための手がかりとして, 測定変量の尺度に関する情報が与える数学的な制約を利用する.

平成11年度は試作したシステムを具体的な問題に適用し,過去に実施された 研究との性能を評価するとともに,過去の手法では解けなかった規模の問題が 解けることを示す.扱える変数の数,ノイズレベルに対する許容度を定量的に 評価する.また1つの方程式では表現できない複雑な系にも適用可能なように 初年度に開発したアルゴリズムを拡張し,プロトタイプシステムを改良する.

平成12年度はそれまでの成果を集大成して,実用的な法則発見システムとし てまとめる.大規模化に対する実証実験を中心に多くの問題に適用し性能を評 価する.その結果を元に計算効率をさらに向上させるために必要なアルゴリズ ムの改良を実施し,現実の大規模で複雑な問題が取り扱えるようにする.


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