人工知能学会 第17回 AIシンポジウム(SIG- J)

データマイニング

データをこう読め!データにこう語らせろ!

テーマ:マーケティングのデータマイニングチャレンジ

概要

2002年3月14(木),15日(金)

学術総合センター 一橋記念講堂 (東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号)


第1日:データを如何に集めるか?,データを如何に活かすか?

10:30-20:30 データマイニングツールベンダー各社のデモ展示会併設

(株)野村総合研究所, スポットファイアージャパン(株),
(株)SASインスティチュートジャパン, 日本電気(株),
株式会社トスコ(東芝), (株)数理システム,
エス・ピー・エス・エス(株),日本IBM(株)
多数のデータマイニングツールベンダー各社のデモ展示をいただきありがとうございました。

第2日:データ収集とデータマイニングのシステムは如何にあるべきか?


 2日間のシンポジウムを通じて,各業界におけるデータマイニングの現状,課題,今後の展望が明らかになったと思います.データマイニングのマーケティング分野への適用においては,まず第一にデータマイニングを行うに相応しいデータ蓄積や解析のための体制構築に必要であること,システム優先の考え方から脱却して業務やマイニングの現場優先の体制を構築すべきであること,技術的にも今後も多くの挑戦課題があることなどが明らかになりました.熱心な講演,討論を行ってくださったまた,講師の方々,会場の参加者の皆様に改めて感謝の意を表します.またこのような機会を持って行きたいと考えております. 


 人工知能学会では,2000年3月にAIシンポジウム「産業界のデータマイニングチャレンジ:データマイニングはこう活かせ!」を開催し,製造業から金融・エンターテイメントに至るまで,産業界の業務へのデータマイニング適用の実相と問題点,技術的展望について講演とパネル討論を行い,多数の一般ビジネスに携わる方々,技術者,研究者から大きな反響をいただきました.

 今回はその第2弾として,より具体的な業務場面を捉えたデータマイニング適用の実際について特集しました.データマイニングは,膨大なデータから役立ちそうな知識を発見する技術であると捉えられています.そして最近では様々な企業で使用され,多くの成功事例が伝えられています.では,企業の実現場で新たにデータマイニングを適用し,期待した目的を達成し,成果・利益をあげるためには,実際にはどんな問題を乗り越える必要があるのでしょうか.また,そういった問題を解決していくために,何を行えば,あるいは何に気をつければいいのでしょうか.

 このシンポジウムでは,具体的な業務場面として現在テータマイニングの適用が盛んなマーケティング分野を取り上げました.そして,豊富な経験に裏打ちされながら実際にデータマイニングを業務に使われている方々やそのためのシステムを構築・開発されている方々はもちろんのこと,沢山のデータを抱えながら,あるいはデータを収集するシステムを構築しながらもそこから有効な知識を発掘するまでに十分には至っていない企業部署の方々からも,業務現場の現状や課題についてお話いただきました.また,大学サイドで様々な実データへの適用をを踏まえながら,最新のデータマイニング技術やシステムの開発に取り組んでいる研究者の方々にもお話いただきました.2日間に亘るシンポジウムの1日目はデータの内容に焦点を当て,「データを如何に集めるか?,データを如何に活かすか?」について,企業現場の実態や経験に基づく講演とそこから明らかになる課題や工夫,対応策に関するパネル討論を行いました.2日目はデータを扱うシステムやツールに焦点を当て,「データ収集とデータマイニングのシステムは如何にあるべきか?」について,同様に企業現場に根ざしたパネル討論を行いました.

 また,第1日目3月14日(木)にはシンポジウムに平行して併設会場にて,午前10:30から国内外のデータマイニングツール各社のツールデモ展示会を開催しました.展示企業は,以下の通りです.
(株)野村総合研究所, スポットファイアージャパン(株),(株)SASインスティチュートジャパン, 日本電気(株),株式会社トスコ, (株)数理システム, エス・ピー・エス・エス(株),日本IBM(株)など
シンポジウム講師の中にも,これらのツールを使用している方々がいらっしゃいました.更に,ご聴講参加の方々と産業界及び大学サイドの講演者の方々の交流のために,3月14日(木)19:00よりツールデモ展示会会場で展示と平行して簡単な懇親会をを開催しました.活発な貴情報収集や意見交換が行われました.

◇日  時 2002年3月14(木)10:30-18:45 (20:30),15日(金)10:30〜17:45
◇場  所 学術総合センター 一橋記念講堂 (東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号)
http://www.nii.ac.jp/map/hitotsubashi-j.html
交通機関 営団地下鉄半蔵門線,都営地下鉄三田線,
      都営地下鉄新宿線・神保町駅下車(A8出口から徒歩3分)
      営団地下鉄東西線・竹橋駅下車(1B出口から徒歩4分)
◇懇 親 会 同センター 中会議室1号,2号 19:00〜 参加費2000円
データマイニングツールベンダー各社のデモ展示会併設

 
◇プログラム
3月14日(木):データを如何に集めるか?,データを如何に活かすか?
10:30-20:30 データマイニングツールベンダー各社のデモ展示会併設
<業務適用の実際と課題>
10:30-11:30
「データマイニングにおける受動性と能動性」
鈴木督久(株式会社 日経リサーチ 理事 世論調査室長 マーケティング局 市場調査第三部長) http://www.nikkei-r.co.jp/
概要: 日本経済新聞社のPOSデータベースを使った各種のデータマイニング手法の適用の成果や課題について述べる.特にニューラルネットによる販売予測モデル構築をとりあげ,伝統的データ解析法との相違に焦点をあてる.

11:30-12:30
「購買履歴データからの知識発見」
矢田勝俊(関西大学商学部 助教授) http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~yada/
概要: 購買履歴データから新しい知識を発見するためのデータマイニング技術とその応用方法などを,実際の分析事例を通して考察する.

12:30-13:30 昼食休憩

13:30-14:30
「リテール金融分野における顧客データ活用の方向性
 ‐ CRMシステムはなぜ失敗したか」
戸谷圭子(株式会社 マーケティング・エクセレンス 代表取締役社長) http://www.marketingex.com/
概要: 大量の顧客データを有するリテール金融業界は,データウエアハウス・CRMシステム,データマイニング技術などに多額の投資を行ってきましたが,コストに見合う成果は得られていません.企業内の大量データと個人顧客行動の関係から,金融データ収集と分析の問題点と今後の方向性について述べます.

14:30-15:30
「結果を残せるデータマイニングを目指して
 - ソフマップにおけるデータベースマーケティングの取り組み」
酒井麻衣子(株式会社ソフマップ 営業企画部CRM課) http://www.sofmap.com/
概要: ECサイトやリアル店舗からの多岐にわたるデータに基づいたデータベースマーケティングの現状と課題,データマイニングをアクションに結び付け結果を出すためのデータ・ヒト・組織の在り方について述べる.

<技術開発の動向と展望>
15:30-16:30
「データマイニングにおけるデータ変換」
鈴木英之進 (横浜国立大学大学院工学研究院 助教授) http://www.dnj.ynu.ac.jp/DNJ/index-j.html
概要: 大規模データやトランザクションデータを変換して用いるデータマイニング手法について,近年の成果を中心に紹介する.

16:30-17:30
「データ処理サイクルの中でのデータマイニングの位置づけ
 - 仮説生成から実験的データ収集へ -」
津本周作(島根医科大学医学部医療情報学 教授) http://www.shimane-med.ac.jp/med_info/tsumoto/index-j.htm
概要: データマイニングでは,解析目的を明確にせず収集されたデータから仮説を生成するアプローチがほとんどであり,いまだ仮説生成から新たなデータ収集の側面が語られていない.この演題では,生成された仮説を踏まえて,実データを収集する上での技術的課題や方法論,収集したデータに対する前処理方法,マイニング,後処理の適用についてデータ処理サイクルの立場から述べる.

17:30-17:45 休憩

17:45-18:45 
パネル:<パネル:マーケティングのデータマイニングチャレンジ(その1)>
「データを如何に集めるか?,データを如何に活かすか?」
パネリスト 講師全員
概要 :各講演の内容を踏まえて,マーケティングにおけるデータ収集の重要性やその課題,収集されたデータからの有用知識の発掘,マイニングの業務への組み込みを行う際の方法論や問題,留意点,今後の展望を明らかにする.

 

◇3月15日(金):データ収集とデータマイニングのシステムは如何にあるべきか?
<業務適用の実際と課題>
9:30-10:30
「eCRMデータ分析:ウェブログを統合したデータマイニング」
張 暁龍(アクサ生命保険株式会社 ITソリューション・デリバリData WareHouse Architect/Data Analyzer) http://www2.axa.co.jp/
概要: Webを通じたマーケティング情報とエンタープライズ・データを用いて,データウェアハウスと,マイニング用データマートの構築,マイニング結果の活用,並びに現場運用上の特徴や課題について述べる.

10:30-11:30
「テキストと数値データの併用によるマイニングの効率化と実務への応用構想」(仮)
田部井明美(東京ガス株式会社 R&D企画部 都市生活研究所 主任研究員) http://www.toshiken.com/
豊田裕貴(法政大学大学院 社会科学研究科 博士課程)
概要: 社内に大量蓄積されたテキストデータを効率的にマイニングすると同時に,数値データの併用による安定した実務への応用への試みについて述べる.(仮)

11:30-12:30
「SMにおける顧客データを活用したCRMの実践」
中東 靖幸(株式会社シー・エム・シー 代表取締役社長)
概要: SMにおけるFSP(FrequentShoppersProgram)展開状況及び顧客データ活用の可能性について,またSM現場における顧客データ活用の課題などについて述べる.

12:30〜13:30 昼食休憩

13:30-14:30
「データマイニング:プロセスと結果を利用者に理解させる!?」
寺野隆雄(筑波大学大学院ビジネス科学研究科 教授) http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/kyoukan/terano/
概要: マーケティングシステムにおけるデータマイニングの位置付け,データマイニングシステムに望まれる特性,実際の研究開発例,システム構築上の課題や今後の展望について述べる.

<技術開発の動向と展望>
14:30-15:30
「金融データにおけるDMアプリケーションの自動合成」
山口高平(静岡大学情報学部情報科学科 教授) http://www.habi.ne.jp/hato/database/shizu-univ/jyohou/jyohoukagaku/files/jyou_1Page21.html
概要: 証券市場データにDMアプリケーション自動合成ツールを適用し,その適用可能性と課題について述べる.

15:30-16:30
「データ収集の新機軸とマイニングシステムの未来」
鷲尾 隆(大阪大学 産業科学研究所 助教授) http://www.ar.sanken.osaka-u.ac.jp/~washio/washprjp.html
概要: 現状のマイニングシステムの抱える問題点,特にその中でもデータ収集ボトルネックを解消ないし緩和する新しい技術の紹介と,それらと結合したマイニングシステムの可能性について述べる.

16:30-16:45 休憩

16:45-17:45
パネル:<パネル:マーケティングのデータマイニングチャレンジ(その2)>
「データ収集とデータマイニングのシステムは如何にあるべきか?」
パネリスト 講師全員
概要: 各講演の内容を踏まえて,マーケティングのためのデータ収集とデータマイニングを行うシステムの設計上,構築上の課題,現場への導入上の課題,及びこれらに対する解決策や留意点,今後取り組むべき問題,展望などを明らかにする.

◇参 加 者 335名
◇参 加 費 人工知能学会会員:5,500円(賛助会員の社員の方も含みます)
非会員:9,800円  学生会員:3,000円  学生非会員:3,000円
◇照 会 先 :(社)人工知能学会 事務局
E-mail: account@ai-gakkai.or.jp
Tel. 03-5261-3401 Fax. 03-5261-3402

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